予報によれば、今日の最高気温は30度だという。暑くなると何が起こるだろう。風が吹けば桶屋が儲かる、というのは、よく知られたカオス理論である。暑くなると豆屋の客が減る、というのは、知っても役に立たないカス理論だ。はたして今日は、ぼくの予想通り退屈な一日になるのであろうか…
昼過ぎだった。ぼくは常連の若奥様が持っていたバッグに目が留まった。
「いい色だね、穴だらけだけど」
好きな色だったので、ほめてみた。
「あら、目が高いわね」彼女の美しい瞳がキラリと光った。
「見せてよ」ぼくは言った。ビニールかと思ったら革だった。
「いくらするとおもう?」
「さんまんえん」
「うんにゃ、さんじゅうまんえん!」ぼくの目を見てニヤニヤしている。
本当かもしれないが、いつものぼくのウソに対する逆襲かもしれなかった。彼女らと入れ違いに、最近常連気味のゆきちさんがいらした。今日は知らない女性を連れている。とてもきれいな女性だ。すぐにぼくのノーミソはエコノミーからハイパーモードに切り替わった。
そう、ぼくは彼女をまったく知らなかった。しかし、彼女はぼくを知っているという。こんなきれいな人がぼくの知り合いだったとは…
「ふっ、ぼくもまんざらじゃない」
彼女は、ブログでなじみのあやさんだった。ぼくはコミカルで一風変わった感じの人をイメージしていたので思いつかなかったのである。なにせ、あのブログときたら…おもしろおかしすぎ。
「ところでゆきちさん、あの絵、分かった?」
三日前から絵と格闘しているゆきちさんに聞いてみた。
「だめです。わからない」心なしか彼女はやつれて見えた。
「そーかー、さっきいらしたrogiさんもお手上げで帰っていったよ」
ぼくはなぐさめてみた。やさしいオレ。
そこで問題の絵をあやさんに見せてみた。彼女は絵を見た瞬間に解答してしまった。
ズーーン。(あたりが気まずい空気に包まれる擬音)
というのはウソです。
あやさんが答えを絵に描いてゆきちさんに説明した。
ややあって、ゆきちさんは叫んだ。
「aha~~!」
“真夏日の昼の出来事” への4件の返信
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「aha~!」から,今,「うっとり~」にかわっています(笑)
ハイパーモードに切り替わる音。
「ささっ,どうぞこちらへ~☆☆☆彡」
今は、うっとり~ですか、じゃあ、次の絵に行ってみましょうね(笑)
その切り替わる音・・・ かなりシュールですな~
昨日は、お邪魔いたしました。
恥ずかしながらコーヒーのことは全くの門外漢ですので、変なことを言ってもいけないと思い、おとなしくしておりました。
ええ、実生活ではあのとおり、四角四面な人間でございますのよ。
それにしても、「きれいな人」だなんて、お恥ずかしい・・・ゲヘヘ・・・グヘヘ・・・
あやさん、昨日はびっくりさせてもらってありがとう・・ゲヘヘ・・
「きれいなひと」にもいろんなタイプがあるわけですが、あやさんの場合、内面と外面、そして正と負の葛藤における危うくも絶妙な平衡を保つための強い緊張が図らずも外部に漏れてしまったときに発光するような、そんな感じの「きれいなひと」という印象を受けました。
(なんのこっちゃ~)
ちなみに、発光色はブルートパーズ。悪くないでしょ。ガハハ