花見

よく行く南の植物園のなかに立派な温室がある。入り口は自動ドアになっていて、冬に入ると、メガネが一瞬にして曇る。その大伽藍の一番奥に、食虫植物ばかり寄せ集めた場所がある。ウツボカズラ、モウセンゴケ、ハエジゴク。食虫植物は、その名の通り、虫の好む匂いを出して虫を呼び寄せ、捕食する。その、おどろおどろしいいでたちに、思わず眉をしかめる女性もいるだろう。しかし、虫を陥れんがために機能する無駄のないデザインには、死によって生を得る、究極の美学が見える。
桜の花が咲き始めた。ミツバチは花の匂い、色におびき寄せられ、集まる。それは桜にとって、子孫繁栄という大目的のための、必死の仕掛けである。生物は、子孫繁栄のために、なりふり構わない。
桜は人をも呼び寄せる。
自然界には、いろんなワナが、無意識に仕掛けてある。

“花見” への6件の返信

  1. ぜんぜん、知りませんでした(笑)
    願はくは花の下にて春死なむ
    そのきさらぎの望月のころ
    ネットで調べたら、西行の歌らしいですよ。

  2. 食虫植物の上、顔の3倍くらいのポトス。
    みつけました(^^)
    ポトス見たさに通うこともしばしば(笑)
    そういえば、行ってないです♪
    明日?明後日?
    行ってきます(^^)/

  3. 顔の3倍くらいのポトス…
    なんだろう、クワズイモの仲間かな。
    明日、明後日あたり、あそこに行くの?いいなー。
    もし暖かかったら、ずっと奥にあるアメリカ風の白い洋館に売ってる、ソフトクリームを食べるのもいいかも。
    今だったら、何味だろう。桜味かな。
    去年はアジサイ味、というのがあったよ。
    色が青いだけだったけどね。

コメントは受け付けていません。