夢見る料理

326_1_1 ヒマだったので家から持ってきた料理の本を読むことにした。
きれいに装丁された厚い表紙の本。
どういう人たちがこの本を読むのだろう。
恐らく新婚の若妻か、結婚を夢見る妙齢の女性に違いない。
ぼくみたいな変なオヤジではなく。
ページをめくり、きれいな写真と料理法の解説を読み進むうちに、ふと切なくなった。
この本を一途に見つめる少女の姿が浮かんだ。それはすべての女性の中にある永遠の少女。そのひたむきなまなざしがぼくを切なくさせた。自分ではなく、相手の喜ぶ姿に幸せを感じる、健気で内気な少女。
というのはぼくの勝手な想像です。