遊んで暮らす

313_1 「Nさんは、もう仕事やめても大丈夫だね」と、いいながら、娘が食堂に入ってきた。
娘は店に置いてあった衆議院総選挙のポスターを見てそう言ったのだった。
広告の仕事をやっているN君が毎月届けてくれる手製カレンダーに、そのポスターは同封してあった。
ポスターの中央に「コンペに勝ちました、○,○○○万円也!」と走り書きしてある。つまり、彼の作った選挙広告が採用され、○,○○○万円の売り上げがあった、ということなのだった。
娘はその売り上げのほとんどが彼の財布に入ると思ったのだろう。やれやれ、うらやましいくらいシンプルな思考回路。それに、仮に○,○○○万円の金が手に入ったとして、果たして残りの人生を遊んで暮らせるものかどうか。
ちなみに、この広告に出てくる人相の悪い人たち(笑)は枕崎のARTSというスカバンドだそうです。