スポットライト

今日もI氏はやってきた。ただ、いつもと違うのは、その様子が甚だ疲れていることだった。
彼がカウンターに座ると、どこかでスポットライトが点り、その疲れた顔を浮かび上がらせた…ように見えた。
そう、彼は物語の主人公としての素質がある。いや、彼は言うだろう。人生とは自分が主人公の物語である、と。
小道具…熱い珈琲が彼の前に置かれた。
しばらく彼は闇を湛えた白いカップの中を覗きこんでいた。