月夜

ふと風呂場から外を見ると、まるい月が出ていた。
狼だったら吠えるところだが、なぜかぼくはエレキギターの音が聞きたくなった。
「長電話とエレキは不良の始まりだ」中学の時の担任はそう言った。
ような気がする。
とにかくエレキの音が聞きたい。腹に響くような大きな音で。
しかし、時計の針は11時を回った。世間一般は静かな夜を迎えている。
ヘッドホンという手もあるのだろうが、耳に悪い。
しかし、ここで我慢すると返っていろんな人に迷惑をかける可能性があるかもしれない。
ぼくはCDをセットし、アンプのボリュームをひねった。