
駐車場のフェンスのあちこちにブドウがぶら下がっている。とりあえず写真に撮っておこうと思い、カメラを構えていると、通りがかった若い女性が「これ、ブドウですか?」と言った。「そうですね」と言うと、「うわー、はじめて見ました」と、感動して言った。それを聞いてぼくは思い出した。ピーナッツの実が生っているのをはじめて見た時のことを。その時ぼくは小学生だった。今でもその場所、その時の感動を写真のように思い出すことができる。
渚にて
朝はゾンビ
スイカモード

天気もいいし、ぼくは霧島にボートを漕ぎに行くつもりでいたのだが、それをヨッパライ某にいうと「わたしは魚が食べたい」というので、車は山を越え、信号を左折して坊津方面へと走りはじめた。いつもならポットにコーヒーを詰めて出かけるのだが、今日は海に面した某レストランにも寄ってみよう、ということで、コーヒーの準備はしなかった。片浦にある魚料理店に着いたのが昼前だった。ぼくは地魚定食、ヨッパライ某は寿司定食を頼んだ。運ばれてきたお膳を見ると、ぼくの頼んだ分にはスイカが付いていた。

昨日書いたとおり、ぼくはまだスイカを食べる気分になっていない。だからといって残すのももったいないので、期待せずに食べた。
うまい! そして懐かしい。
その時ぼくの中のナニかがカチッと反応した。夏だ。夏のスイッチの一つがONになった。ぼくはもっとスイカを食べたくなった。いや、食べなくてはならない。今やスイカは、ぼくのココロのご飯になったのだ。家に帰ったらさっそく箱から出し、すぐに冷やそう。

店を後にし、食後のコーヒーを飲むために海に面した某レストランに向かった。駐車場に車を停めてドアの前に立つと、なんだか様子が違う。ドアが新しくなっている。それに、あのひどく読みにくい手作りの看板がない。どうやらリニューアル中らしい。ということは、休みなのだろうか。そういえばドアの下に「準備中」の札が落ちている。呼んでも返事がないので、デッキのほうに行ってみると、屋根に梯子がかかっている。屋根のペンキ塗りをやっているのだろうか。そうか、ペンキが切れたので買いに行ったのだろう。ぼくはそう思うことにした。

とにかくコーヒーは飲めそうにないので、ぼくは引き返すことにした。某海浜公園でしばらく遊んだ後、車は帰路に就いた。まだ2時半だった。帰るのがいつもより早いのは、早くスイカが食べたかったからだ。

家に帰り着くと、ぼくはスイカの入ったダンボール箱を開け、顔を出したスイカのアタマをコツコツたたき、音の低いほうを箱から取り出した。ああ、なんという美しく立派な果実。ぼくはまずその天上なるデザインを称え、撫で回し、そしてほおずりした。
夏のスイッチ
毎年今頃になるとスイカが届く。
今年も一週間前に送られてきた。
だけど、スイカの入った箱は未開封のまま。
ぼくの中の夏のスイッチがONにならないせい。
スイカは大好物だ。
でも、夏のスイッチが入らないと食べられない。
ヒッチコックな朝

11時を少し過ぎたころだった。ぼくは午前中に発送しなくてはならないコーヒーを大急ぎで袋に詰めていた。その時電話が鳴った。「はい、○○コーヒー店です」ぼくはいつものように名乗った。だが、なぜか相手はなにも言わず、ずっと押し黙ったままだ。「もしもし、もしもし」ぼくは繰り返した。と、電話は唐突に切れた。たまにこういう電話がかかってくる。ケータイからかかって来た電話に多く、電波の具合でそうなるらしい。ぼくはカウンターに戻ってコーヒーの袋詰めを再開した。するとまた電話がかかってきた。「はい、○○コーヒー店です」だが、相手は何も言わない。さっきと同じだ。耳を澄ますと、電話の向こうで何か息遣いのような音が聞こえる。「もしもし、もしもし」ぼくは繰り返した。しかし、さっきと同様、電話は無言のまま切れた。よほど電波の状態が悪いんだろう。ぼくはそう思ってカウンターに戻った。するとまた電話が鳴り出した。「はい、○○コーヒー店です」 ……。相手は何も言わない。「もしもし、もしもし」しかし、5秒ほどたつと、やはり電話は切れた。妙だな。ぼくは思った。もしFAXなら、あの特有の信号音が聞こえるはずだ。ぼくはカウンターに戻って再び作業を開始した。また電話が鳴り出した。ぼくは怖くなった。まさか、これがあの、いわゆる「無言電話」なのだろうか。ぼくは電話に出た。「はい、○○コーヒー店です」しかし、相手は無言のままだ。耳を澄ますと、受話器の向こうで、何か奇妙な音楽が流れているような気配がある。「もしもし、もしもし」ぼくは繰り返した。数秒後、電話は切れた。ぼくは気味が悪くなって、NTTの113番に問い合わせた。故障かもしれないと思ったからだ。「さっきから無言の電話がかかってくるんですが、調べてもらえないでしょうか。できたら、かけてくる相手が誰かも」すると係りの男の人は申し訳なさそうに、「故障は調べられるのですが、相手が誰かというのは調べられないんです」と言った。じゃあよろしく、と言って電話を切った。ぼくはカウンターに戻って袋にコーヒーを詰め始めた。だれだろう。ぼくに恨みを持つものの仕業だろうか。単なる嫌がらせ? こういうことをする可能性のある人物を特定すべく、ぼくの頭はめまぐるしく回転し始めた。やがて電話が鳴り出した。
つづく
写真は庭のアジサイ
自分が好きなものだけはわかる
白洲正子“ほんもの”の生活、という本の中で、正子さんは「目利きとはどんな人のことですか」という問いにたいして、こんなことを言っている。「一つ言っておくと、自分が目利きかどうかなど、私には関係ないことです。ただ、自分が好きなものだけはわかる。それも頑としてわかる。それだけは確かね」
これ、スティーブジョブズが言っている、好きを貫く、と同じですよね。ぼくも言ってみたいな。自分が好きなものだけはわかる。それも頑としてわかる、って。

このブログにもタマに書き込みをされる a さんがその本を読んでいるところ
眠い夜
ガラスのレインマン
Kagoshima Rock Fest vol.2 開催のお知らせ

「Kagoshima Rock Fest vol.2 -Super Premium Rock Show-」
■日時
2009年9月23日(水)
16:30 Open 17:00 Start
■会場
CAPARVO HALL
鹿児島市東千石町3-41 キャパルボ8F
TEL:099-227-0337
URL:http://www.caparvo.co.jp/
■出演
JET IN BOOTS(福岡・東京)
face to ace(東京)
ONE EYED TROUSER SNAKE(愛知)
JET ROCK(福岡)
トカレフ侍(熊本)
VOLCANIC AsH(鹿児島)
■料金
前売券 3000円(要1ドリンクオーダー)
当日券 3500円(要1ドリンクオーダー)
全自由席 整理番号付き
■チケット販売(5月30日)
・KRF事務局
・チケットぴあ Pコード597-428
※入場時の整理番号は、ぴあ優先となります。
■お問い合わせ先
KRF事務局 090-8764-8332
http://www.myspace.com/kagoshimarockfest
kagoshimarockfest@yahoo.co.jp





