ピーク

昼、チンした弁当を食った後、外に出て太陽を探した。明日は夏至。太陽が一番高く上がる日。それはたぶん本当だった。見上げた空の、一番高いところで太陽は燃えていた。人生の夏至っていくつの時だろう。肉体的には20歳くらいかな。人生的には、今だな

ジグソーな夜

仕事を終え、家に帰りついて玄関のドアを開けると大きな段ボール箱が鎮座していた。そうだった、数日前、ネットで衣類乾燥機をポチったのだった。

台に載せてコンセントにつなげばおしまいのはずだった。ところがそうはいかなかった。以前使っていた乾燥機の台には排水パイプを通す穴が無かったのだった。疲れた体に鞭打ってジグソーで穴をあけたのだった。

疲れたので試運転は明日することにしたのだった

never let me go

父はケチなので暑くてもクーラーを使おうとしない。扇風機なら使うだろうから、それを出して父のベッドのそばに置いてくれ、という電話が妹からあった。夕方ヒマができたので父の部屋に行き、どこかにあるはずの扇風機を探した。それは使っていない部屋の隅にポツンと佇んでいた。今までぼくはこんなにきたない扇風機を見たことがなかった。ぼくはそれを持ち帰り、外せるものは全部外して洗剤で丸洗いし、本体には雑巾をかけた。醜いアヒルの子は見違えるようにきれいになった。それをもって父の部屋に行くと、父はちょっと驚いてこういった。その扇風機は先日ゴミと一緒に出したのだが、持って行ってくれなかったんだ

クーラー入れて夏がクラー

今年初めて店のクーラーのスイッチを入れた。室内の気温は27度で特に暑いとは感じなかったが、ある晴れた日の午後、気温がぐんぐん上昇し、あわててクーラーを入れたら、ウンともスンとも言わない、あるいは、冷風ではなく生暖かい風が吹き出した、という恐るべき事態を回避するために。なにせ20年も使い続けている骨董品なのだ。リモコンを取り出し、スイッチON! ややあって吹き出し口から風が出てきた。よーし、いいぞ! しかし、10分経っても冷たい風が出てこない。設定温度を下げてしばらく待つが変化なし。ぼくは焦った。電気屋に電話しなくちゃ、と考えていると、急に動作音が変化し、冷風が吹き出した。やれやれ。

それにしても、6月に入ってクーラーを起動させたのはたぶん初めて。当ブログの記録によれば遅くとも5月20日にはクーラーのスイッチを入れていたのだ。

2006 5/2
2007 5/18
2008 5/2
2010 5/10
2012 5/8
2013 5/10
2014 5/11
2017 5/20

ジャガイモのある風景

金曜日の男からジャガイモをたくさんもらった。ぼくはそれを眺めながらジャガイモのおいしい食べ方について考えを巡らせた。まず頭に浮かんだのは、炙ったジャガイモとドイツの太いソーセージが冷えたビールの横で湯気を立ててる風景。次に、村上春樹の小説に出てくる、ジェイズバーのカウンターに載った、ビールに添えられたフライド・ポテト


「今夜バスで帰るよ。」
ジェイはフライド・ポテトにするための芋をむきながら何度か肯いた。
「あんたが居なくなると寂しいよ。猿のコンビも解消だね。」ジェイはカウンターの上にかかった版画を指さしてそう言った。「鼠もきっと寂しがる。」
「うん。」
「東京は楽しいかね。」
「どこだって同じさ。」

歯医者に行った

久しぶりに歯医者に行った。受付のお姉さんに、久しぶりですね、と言われた。前回行ったとき、このままだと歯周病になってマズイことになりますよ、と、脅され、ずっと気になっていた。ぼくは脅しに弱い。でも貴重な休日を病院でつぶすのが惜しくてなかなか足が向かなかった

しかし今日は天気はイマイチだったし、ヨッパライ某も用事があるということで、午前中を歯医者に充てた。今日は歯のレントゲン撮影と口の中の写真撮影。次回、その結果を見て、歯石を取ったり、なんかいろいろやるそうだ

家に帰り、車庫の外灯の改造を始めた。LEDを取り付けるべく、中の蛍光灯ユニットを取り除き、使っていない照明器具から取り外した電球ソケットを移植

器具はアルミダイキャストなのだが、なぜか内側は黒のマット塗装。光を反射させるべく、ビールの空き缶を使って反射板を作成

ブリキの赤いミニ

ヨッパライ某の誕生会は参加者の都合により延期されていたが、一週間後の今夜、自宅にて無事開催されることになった。
昨日「食事は何にする?」と、娘からメールがあった。ずいぶん前、家族いっしょにソーメンが食べたい、と娘が言ってたのを思い出し、「ソーメンでどお?」と返信すると直ちに「いいね!」の回答があった。主役が何を食べたいかはあまり関係ないのだった。
食事が終わり、テーブルにケーキが載った。娘が踏切近くのケーキ屋で買ってきたモンブラン。ナイフを入れ、皿に分ける。プレゼントを渡す。

ぼくのプレゼントはブリキの赤いミニクーパー。結婚して間もないころ、彼女は車が欲しい、ローバーミニが欲しい、と、熱に浮かされたようにつぶやいていた。いつか買えるはずだった。しかし、ぼくが想定外の脱サラを強行し、借金をすると、以来、それを口にすることはなくなった。たぶん、あきらめたのだろう