ウヒヒヒ

Wakkyだれでも、愛用のカップをお持ちだと思う。ぼくは、ずっとこのカップを使っている。この犬の絵が好きなので、ずっとこれだ。カップの底が少し欠けている。ぼくといっしょに年をとって、ボロになっていく。そんな風に、ぼくが感傷的になると、絵の犬が笑う。
おまえ、バカだな、ウヒヒヒ、って。

年末のある一日

その日は毎年、必ず一回やってくる。
そしてその日が今日だった。
ぼくは、その日を特別に「年賀状を作る日」と、呼んでいる。
あまりおおっぴらに言わないほうがいいのだが、「苦痛の一日」である。
ぎりぎりにならないと、なにもしない、という性格が災いしている。
とにかく、はじめることにする。
まず年賀はがきを買ってくる。
いつものプリンターのほかに、もう一台プリンターを出して、机に置いて並べてみる。
プリンターのホコリを、きれいに拭いたりする。
なんとなく半分以上終わったような気分になるから不思議だ。
図書館に行っただけで、勉強をしたような気になる、あれと同じだ。
はがき裏の図案を考える。ずっと考える。
いらない紙の裏にいろいろ書いてみる。
だめだ、いいアイデアが浮かばない。
部屋を変えて同じことをする。浮かばない。
それでも考える。考える。考えた!だめだ。
コーヒーを淹れる。考える。浮かばない。
時は流れる。もう夕方だ。少し浮かんできた。いけるか。
えーい、これでいけ!
パソコンに向かってレイアウト開始。
よーし、なかなかいいぞ。
二台のプリンターを使ってプリント開始。
あーっ、もう夜の11時じゃん。終わらない。ひどい一日だ。
終わったのは午前1時でした。
万歳!

心配無用

何をバカなことやってるんだろう。と、思うことはしょっちゅうだ。
自分で思うだけならまだ手の打ちようがある。
しかし、すでに人からもそう思われていることは、ほぼ確実だ。
たとえば、これなんかもそうだ。またこんなことを書いている。
書くだけならいいが、ネット上に広げている。
発表の場を持ちたいという欲求が強いのだ。
いわゆる自己顕示欲というやつである。
実は、だれだってバカなことをやる。
これを読んでるあなただってそうだ。
なぜならバカでないこと、という普遍性を持った基準なんてないのだ。
ある達人に「バカのフリをしてるほうが人生楽だぞ」と教わった。
いうまでもない。心配無用。

年末突入

買いだめのお客さんが急に増えはじめた。いつもの2~3倍買っていかれる。人気のあるコーヒー豆は、お昼には売切れてしまった。年の瀬なんだなぁ。明日からは、かなり多めに焼いておかなくては。というわけで、毎年のことだが、うちの店は年末にかけて急にいそがしくなる。こういう忙しい時期に、のんびり遊びに出かけるやつもいる。
「よう、オヤジが死んだくらいで電話なんかするなよなー」
といって、妹夫婦はハワイに飛んでいった。

寒い夜

寒いですね。暖かい布団、ベッドで寝てますか?
掛け布団は重くないと、かぶった気がせんっ、という方もいらっしゃると思いますが、ぼくは、軽~い羽毛布団の愛用者。どんなに寒い夜も、軽い羽毛布団1枚で十分。あ、羽根(フェザー)布団はあまり暖かくないですよ。ホテルの掛け布団は大概これです。羽毛(ダウン)率90パーセント程度あれば申し分ありません。ハンドピック(手摘み)の羽毛ならさらに良し。ところで、羽毛布団を使ってる方で、毛布を併用されてる方はいらっしゃいませんか?もし、毛布を使うのでしたら、毛布は羽毛布団の上にかぶせて使ってください。羽毛布団は体に一番近いところで使わないと、効果が半減しますよ。いい羽毛布団を使っても、まだ寒いという方は、敷布団、あるいはベッドに敷き毛布をかぶせると、ずいぶん暖かいです。
以上、寒い夜に暖かく寝る方法、その1でした。

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朝起きると、ふかふかの雪が積もっていた。木立は綿飴みたいだった。わが家は高台にある。いつものように家を出ると激しい渋滞に巻き込まれるのは必至なので、11時ごろ、のんびりと家を出た。ぼくの職場にはタイムカードはない。団地内はまだ雪が残っていて、スピードを出すと車は簡単にスラロームした。店に行くのに二つの団地を抜ける。二つ目の団地が渋滞してた。バスを待ってる女子高生が、雪の積もった壁にヘタクソな絵を書いていた。

「ごめんね」

午後6時半。
時折、窓ガラスに吹き付けられたアラレがパラパラと音を立てる。今夜は吹雪になるかもしれない。こんな荒れ模様では、お客様も来ないだろう、と、思っていたところに常連のIさんがいらっしゃった。
「今夜は積もるでしょうね」と、ぼくは切り出した。
もし雪が積もったら、明朝、車での出勤はよほど気をつけなければならない。Iさんは今年の元旦、凍った路面でスリップ事故を起したそうだ。Iさんは山登りが好きで、林道を走ることも多く、いつも4輪駆動車に乗っている。
その日、Iさんは奥様を助手席に乗せて山道を走っていた。道は凍っていた。坂を上り切り、下りになった時にハンドルが効かなくなった。コントロール不能に陥った車は斜面に乗り上げて横転。上下逆さまになって止まった。Iさんはかすり傷ですんだが、奥様は頭を切り、救急車で運ばれた。本人は覚えていないそうだが、奥様の話によれば、車がコントロールを失って横転する直前、Iさんは奥様に言ったという。「ごめんね」と。
なお、車は廃車になったが、車両保険に入っていたおかげで前より上等の車が買えたそうだ。

A LONG VACATION

毎年のことだけど、冬が来ると憂うつになる。
理由ははっきりしない。
ぼくはニンジンが嫌いだ、というのに似ている。
ちなみにぼくはニンジンがとても嫌いだ。
ぼくは不思議だった。
今年は、いい調子で冬を迎えられそうに感じていたからだ。
しかし、ここにきて様子が変わってきた。やはり冬は嫌いだ。
きょうは特にそう感じた。
大滝詠一の「A LONG VACATION」を一日中リピートしていた。
早く夏が来ないかな。

500円キャビア

Photo_9何年前だったか、ヨッパライ某が、どこかのスーパーでキャビアを買ってきた。安かったから二つ買ってきた、という。
「いくら?」
「500円」
そんなバカな。瓶を見ると、魚の絵と、何語かわからん字が書いてある。ふたを開けてみると、妙に粒が小さい。しかし、色はちゃんと黒い。食べてみた。変な味だった。きっとタラコに色をつけたものだったのだろう。以来、ヨッパライ某の前でキャビアの話を持ち出すのは厳禁なのだった。今朝、一人でフランスパンを切って食べていると、昨夜遅く修学旅行から帰ってきた息子が言った。
「土産にキャビアを買ってきたよ、安かったから偽物だと思うけど」
さっそくパンにのせて食べることにした。例によってフタの文字は読めない。ふたを開ける。粒の大きさといい、色といい、キャビアにそっくりだ。食べてみる。キャビアっぽい、気がする。うまかったので半分くらい食べてしまった。これはいったい何のタマゴ?Photo_10

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