
金曜日までは比較的平穏だった当店も、土曜になると何かが急に狂ってくる。時空上の位相のズレみたいなのが生じるのだ。当店は10時開店だが、9時には常連のパチプロおじさんがカウンターに座っていた。おじさんは、店に来るたびに、ぼくにいろんなものをくれる。数日前はキャラメルをくれた。ぼくが一生懸命マメを焼いているかたわらで、おじさんはコーヒーを飲みつつ、地球温暖化問題について熱く語った。おじさんによると、地球温暖化は人類による二酸化炭素排出が原因なのだという。ほんとうだろうか。おじさんはバスの時間が来て帰っていった。10時を過ぎる頃、ぼくは本日最後のマメを焼いていた。すると、とても懐かしい人が現れてカウンターに座った。さっき上陸したばかりだという。彼は何年か前まで当店の常連さんだったが、今は南の島の住人になっている。そう、あのころはみんな若かった。あの子も、あの子も(遠い目)。彼が帰ると、入れ替わりに某電脳世界の知人K氏が現れた。彼が名乗りをあげるまで、まったくダレなのか分からなかった。そこに電脳世界のM氏が追うように登場し、二人はカウンターで肩を並べた。二人は電脳世界上では親しく話を交わす間柄であったが、カウンターに並んだ二人は赤の他人であった。ぼくが紹介しない限り、二人は永遠に他人のままのように見えた。このままでも悪くないな、と思ったので、ぼくは黙っていた。
つづく
クーラー入れて 夏がクラー
昼過ぎにいらっしゃったお客様が、開口一番に言った。
「暑いわねえ!」
と、いうわけで、今年初めてのクーラーを入れた。
昨年の初クーラーは18日であった。
チガウ感じ
憂うつな、あめ
なまあたたかい夜
初夏が迫ってきたような一日
今日も暑かったですね。もう初夏なんでしょうか。
プシュ
みなさんこんばんは。
ぼくは今から冷えたビールを飲みます。
(子供はまねをしないように)
というわけですので、みなさん、ごきげんよう。
プシュ
トランスフォーマー
ソロモンの指環
クオリアの秘密
たまには、ってことで仕事の合間に新約聖書(ルカ書)を読んでいた。いうまでもなく新約聖書はイエス・キリストの生涯、言動が記された書物。まだ読んだことのない方も多いだろう。でも、もしあなたが洋画や洋楽が好きなら、読んでおいたほうがいいと思う。なかなかおもしろいし、感動もする。かも。
さて、コーヒーを飲みながらルカ書を読み進んでいて、あれ?と思った。それは、イエスがパラダイスについて説く場面なのだが、そのパラダイスの有様が、脳科学者の茂木健一郎さんがよく口にする「クオリア」とよく似ている、と、思ったからだ。そう思った瞬間、イエスの荒唐無稽とも思える一部の言動が、何の違和感もなく、すんなり頭に入るようになった。ウルトラマンはM78星雲からやってきたが、イエス・キリストはクオリアの国からやってきたのである。クオリアは物質ではないし、それらが惹き起す現象でもない。ならば何か。それは、われわれが地の物だから分からない。のである。イエスとわれわれは、思考の向きがまったく逆なのだ。イエスはクオリアに属する立場からこの物理世界を眺めている。われわれはその逆だ。それがわかれば、彼の言動が科学的な態度そのものであることがわかる。イエスはわれわれの眼には奇跡に映ることを、あたりまえにやってのける。当然だ。われわれは地の者なのだ。この物理世界が、クオリアを反映する装置として便宜的に作られたとするなら、魂の不滅もパラダイスも理の当然となる。クオリアを究明すれば、パラダイスを証しすることになったりして(笑) そういえば茂木さんは、マタイ受難曲が好きだと言っていたっけ。






