ユーミンみたいな午後

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どこかいいところ、ないけ~
カメラ少女は行く先を見つけ出せず、悩んでいた。
桜島は?
ぼくは言ってみた。
桜島? ナニがあるのけ。
と、カメラ少女は言った。彼女はいい被写体を探しているのだった。
灰、とか、いろいろ。
ぼくは頭に浮かんだものを言った。
いつもなら、もっといいものが浮かぶのだが、なぜか今日は灰が浮かんでしまった。ぼくに聞いても無駄だと悟った彼女は、コーヒーを飲み干し、「さーて」といって、席を立った。

土曜日

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金曜日までは比較的平穏だった当店も、土曜になると何かが急に狂ってくる。時空上の位相のズレみたいなのが生じるのだ。当店は10時開店だが、9時には常連のパチプロおじさんがカウンターに座っていた。おじさんは、店に来るたびに、ぼくにいろんなものをくれる。数日前はキャラメルをくれた。ぼくが一生懸命マメを焼いているかたわらで、おじさんはコーヒーを飲みつつ、地球温暖化問題について熱く語った。おじさんによると、地球温暖化は人類による二酸化炭素排出が原因なのだという。ほんとうだろうか。おじさんはバスの時間が来て帰っていった。10時を過ぎる頃、ぼくは本日最後のマメを焼いていた。すると、とても懐かしい人が現れてカウンターに座った。さっき上陸したばかりだという。彼は何年か前まで当店の常連さんだったが、今は南の島の住人になっている。そう、あのころはみんな若かった。あの子も、あの子も(遠い目)。彼が帰ると、入れ替わりに某電脳世界の知人K氏が現れた。彼が名乗りをあげるまで、まったくダレなのか分からなかった。そこに電脳世界のM氏が追うように登場し、二人はカウンターで肩を並べた。二人は電脳世界上では親しく話を交わす間柄であったが、カウンターに並んだ二人は赤の他人であった。ぼくが紹介しない限り、二人は永遠に他人のままのように見えた。このままでも悪くないな、と思ったので、ぼくは黙っていた。
つづく

チガウ感じ

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「出てたでしょ!」
と、彼女は言った。
「うん。かっこよく撮って、っていったのにアレだもんね」
ぼくは言った。
ガハハハ、と彼女は笑った。
「買ったの?あの雑誌」
ぼくは言った。
「うんにゃ、ダンナの店で取っててね、ダンナが見つけてシャメで送ってくれた。そんで、茶々を入れようと思って来たワケよ。ガハハ」
「今日はいつもとカンジが違うね」
ぼくは言った。
「丸くなった。太った」
撮った写真、ブログに載せるから見てね。
ぼくは言った。

憂うつな、あめ

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今日みたいな雨の日は交感神経の働きが低下して、フツーの人ならしょんぼりする。でも、しょんぼりして欲しい人に限って、こんな雨の日もバカみたいに元気で声も大きかったりするので、ぼくはもっとしょんぼりする。こんな日はアメでもナメながら晴れるのを待つしかない。

なまあたたかい夜

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青白い花が暗闇に浮かんでいたので近づいたら艶めかしい匂いが充満していたからカメラを持ってきて何枚か写真を撮っていたらふらふらして花に頭を突っ込んだ。

プシュ

みなさんこんばんは。
ぼくは今から冷えたビールを飲みます。
(子供はまねをしないように)
というわけですので、みなさん、ごきげんよう。
プシュ

ソロモンの指環

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ジャスミンが満開だ。ニオイバンマツリもポツポツ咲きはじめた。甘い匂いに誘われて、つい、店の外に出てしまう。でも、彼女らは、ぼくを誘ったワケじゃないらしい。花はしゃべらないが、もし口があれば、なんていっているのだろう。