ニューシネマパラダイスが急に気になりだした。
店がヒマになった夕方、DVDをパソコンに入れて見始めた。
ぼくが気になっているのは、あの写真技師、アルフレイドの正体。
彼がトトに行ったことは何なのか。
残酷非情な男アルフレイドは自分の描いた理想の人生シナリオを、若さゆえに分別のない少年トトに歩ませる。その手口は巧妙だ。そしてそれは、まんまと成功。そこに友情なんか微塵もない。これはスリラーだ。と、いうのが、ぼくが抱いていた感想だったのだけど、違うような気がしてきたので、もう一度見てみようと考えたのだった。
と、見始めたところでキュートな客さんがいらっしゃったので中断。うひゃひゃ。
明日はヒマだろうか。
ラッパの音が
フェリーニの「道」を今まで見ていた。
なにがおもしろくてこんな古臭い映画を何度も何度も繰り返し見るのか自分でもわからない。
しかし、多分、これからも何度も何度も見るのだと思う。
家人もあきれているだろうが、自分でも変だと思う。
電線男
アンプが壊れたので、交換してもらった。
このアンプには、スピーカーコードが7本つないである。
これを全部はずし、アンプを取り替えてつなぎ直す。
オーディオに興味のない人には関心のないことだと思うんだけど、一般にスピーカーコードは太い方が音がいいことになっている。
ぼくが使ってるコードもけっこう太いので、結線はかなり難儀した。
ところで、このスピーカーコード、良い物になると、1メートルあたり10万円もする。
もちろん、1メートル20円で売ってる電気コードでもまったく問題はない。
そう、問題はないのだが。
たぶん、女性には理解できない世界だと思う。
映画館
今度の日曜日、NHK-BSハイビジョンでイタリア映画「LA STRADA」邦題「道」がある。1954年の作品。こういう古い映画を街の映画館で観ることはもう不可能に近い。ぼくがホームシアターをやりたかったのは、そのような古い映画を大きな画面で観たかったからだ。画面が大きいと、明らかに感動が違う。
ハイビジョンで放映された映像は、大きく引き伸ばされても荒れることがない。音量も、聞きやすいように調整できるし、映画館で観るよりこちらの方がいいのではないかと思うこともよくある。先日映画館に行ったときも、その暴力的な大音量には閉口した。
しかし、映画館の持つあの独特の変なにおいや、今では稀だが館内のどこかで突然泣き出す赤ん坊の声がないのは寂しいといえば寂しい。
馬の目
盆休み二日目。東京の義弟が来るとのことで、家にいた。
自分でたてたコーヒーを飲みながら、店のステンレス容器を洗う。
音楽とうまいコーヒーがあれば、単純な作業もけっこう楽しい。
義弟は昼前にやって来た。
昼食はわが家の家族4人と冷やしそうめんを囲んだ。
帰りの飛行機まで時間があるとのことで、映画を観ることになった。
観たのは数日前録画した「シービスケット」。
シービスケットとは、古き良き時代のアメリカに実在した競走馬の名前だ。
競馬場でのレースの模様は、カメラも良く、すばらしく迫力があった。
大きな画面とHiFiなオーディオがあるとかなり楽しめるはずだ。
思ったとおり、脇役ではあるが本物の騎手が出演していた。
体から滲み出るリアリティーが相手役の虚構を際立たせてしまう。
特に目の表情がいい、と思った。馬の目を思わせる。
長年、馬と付き合っていると、こういうやさしい目になるのかもしれない。
「映画って、いいですね」つぶやくように言って義弟は帰っていった。
みんなのうた
録画してあった、映画「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」を観た。
登場プレイヤーたちの中心年齢は90歳くらい。
すげぇ年寄りばっかりだ。しかし、へたすると、ぼくより若いかも。
同タイトルのCDはお店でも時々聞いているのだが、スペイン語なのでさっぱりわからなかった。
映画では曲が流れると日本語字幕が出る。とてもいい詩ばかりで、目からウロコが落ちる思いだった。
それはとても身近で具体的な内容。それをあの世が近くなった老人がのびのびと歌う。
彼らにとって大事なのはモノではなく、異性、友達、街、国、そして音楽。
思ったことをそのまま声に出して歌う。ただそれだけ。わざとらしさのない、風のような音楽だった。
進ぬ!虫老年
夕食を終えて時計を見ると9時40分になろうとしていた。
今から映画を観るとなると準備を含め、終了するのは0時をまわったころだ。
というわけで、家族で映画を観るのはやめにした。
映画以外にも録画したものはたくさんある。ぼくは一人でプロジェクターの前に座った。録画した中から某国営放送の「マレーシアの巨大昆虫」というのチョイス。長崎に住んでるナントカと言う虫好きのオッサンが現地のガイドとともに森林奥深く分け入っていく。
出た。まずは巨大ナナフシの登場。でかい!30cm物差しくらいの大きさだ。オッサンはその化け物のような虫を顔に這わせて喜色満面である。体中に鋭いトゲのあるナナフシもいる。見るからにアブナイいでたちだ。さすがのオッサンも触らないだろうと思ったら、むんずとつかんだ。いててて!オッサンは飛び上がった。アリも出た。やはり巨大である。おっさんは臆することなくつまみ上げる。が、当然のように噛まれ、いててて、と叫ぶ。カメラがズームアップすると指から血が出ている。
オッサンはさらに森林の奥へと進んでいく。
視線の研究
スピーカーのセッティングがやっと終わった。
コリン・ファレルとアル・パチーノの「リクルート」を観た。
コリン・ファレルの表情がおもしろい。
どこか小賢しく見えるのは、宙をさまようように動く視線のせいだろうか。
自分の視線なんて普通、意識することもないし、観察する機会もない。
ちょっと気になった。
原色の街
きょうは定休日。
台風が近づいているらしいが、天気は悪くない。
いつもならドライブに出かけるところだが、本日中にやっておかねばならないことがあった。
それはホームシアター用のスピーカーの取り付け。
注文したブツのうち、スピーカーがまだ届かないのだった。
10時を待って某電気店に電話した。入荷してるとのことだったので、さっそく取りに出かけた。
その足で某日曜大工店に寄り、スピーカーを固定するための金具を購入。
金具を取り付け、壁に固定。作業は滞りなく終了した。
とりあえず、試聴をかねて映画を鑑賞することにした。
観たのは録画してあった「ディック・トレイシー」。原色を多用した独特の彩色がおもしろい。
映画に没頭してしまったせいで、肝心の音の具合がどうだったのか憶えてなかった。