終活の記録 その3

学生の頃、バイトしてためたお金で買ったポータブルデッキ。これをかついで海に行き、マイクをつないで波の音を録音して楽しんでいた。しばらくしてぼくの趣味はビデオ撮影に移り、デッキをかついで海に行くことはなくなった。デッキは納戸の奥で長い眠りに就くことになった。何年か前、ふとこのデッキのことを思い出し、だれかこのデッキの思い出でも書いてないかとネットで検索したところ、ヤフオクに出品されたこのデッキがヒット。その落札価格を見てビックリ。なんと、ジャンク扱いで出品されていながら20万円近くで落札されている。へぇぇーっ、てなわけで、ぼくもヤフオクに出品してみようかと考えたのだが、やったことないし、なんだかめんどくさそう。結局何もしないで放っておいたのだが、新しい年になり、よーし今年こそ本気で終活を始めるぞ、みたいな気分が沸々と湧いてきたので、手始めにこのデッキを処分することに決めた。ヤフオクはめんどうそうなので、買取業者のホームページ上で査定をしたところ、8~10万円との事前査定額がメールで送られてきた。いずれ粗大ゴミに出すつもりだったので、10万円もらえればハッピー、てなわけで、昨日現物を送った。すると早くも今日の夕方、9万円との本査定結果がメールで届いた。9万円は中途半端な気がしたので、電話をして10万円にしろ、と言ったところ、10万円で決着。そんなわけで終活はまだまだ続くのだった。

微熱少年の休日

今日は第一火曜日で仕事は休み。どこか遊びに行きたかったが、昨日打った2回目のワクチンが効いて、ヨッパライ某が38度以上の熱を出してダウン

ぼくも37度ちょっと出たが、何ともないのでどこか遊びに行こうと思ったが、病人を残して出かけるのも気が引けたので家にいることにした。冷蔵庫に冷ご飯があるからそれでピラフでも作って食べてね、というので、仰せの通りにした。皿に盛ると早く冷えるのでどんぶりに盛って食べた。自分で作るとなんでこんなにうまいのだろう。思わずお代わりをしてしまった

体が熱っぽいせいか、冷たいものが欲しくなる。ポカリスエットとスイカで体を冷やしながら一日を過ごす

せっかく家にいるので、先日届いたスピーカーユニットを取り付けてみることにした。今使っているユニットは明瞭で明るい、元気な音が持ち味。悪くないのだけど、もう少し、人生に疲れた感じというか、陰影を帯びた音が表現できないかな、と思い、試しに最近出たユニットを取り寄せてみたのだった

蛇の抜け殻のような妖しいデザイン。トンボの翅にヒントを得て作ったのだそうだ。井戸のような暗さ、陰のある音が表現できそうな予感。うふ

取り付けてみました。馴染ませるためしばらく音楽を流し続けたあとで聞いてみると、音の趣がこれまで使っていたユニットとはまるで違うのにびっくり。明るい音でも暗い音でもない。ユニットのインピーダンスが変わったせいで、中低域のボリュームが薄くなってしまったので、熱帯雨林にコンデンサーを注文。コンデンサーを追加した後で再試聴し、バックキャビティの吸音材の量などを調整するつもり

A LONG VACATION 4日目

昨夜はピカピカの湯船に湯を張り、一日の疲れをいやした。時折、階下から冬休みで帰って来た娘の派手な笑い声が聞こえてくる。オンライン飲み会とやらをやっているのだ。ぼくはぬるま湯に浸かっているうちに眠ってしまい、おぼれそうになった

朝起きて外に出たら、日陰にうっすら雪が積もり、小雪が舞っていた。時折雲間から陽が射し、冬らしい一日がスタート。明るい窓際のロッキングチェアーに身を沈め、まだ読み終えてなかったバッハの伝記を読み始めた。昼はチキンラーメンを二つ作って屋上で食べた。どこにでもありそうでなさそうな、ぼくの大晦日

娘が今夜ネット配信される嵐のライブを見たいというのでWi-Fi接続したパソコンをAVアンプにつなぎ、プロジェクターで投影。写真は嵐が紅白歌合戦に出演している際に出たテロップ。それにしても娘が嵐のファンだったとは

AVアンプをポチった

Netflixやプライムビデオなどネットで配信されている映画をプロジェクターでも見たいと思い、AVアンプをポチった。これに先日手に入れたブツを突っ込み、リモコンのマイクに向かって、今夜はアポロ11を見たい気分かも、とつぶやくと…

ちなみにこのドキュメンタリー、映像が緻密で美しく、何度見ても飽きない

雨の一日

怪しい物音で目が覚めた。時計は10時を少し回っていた。ドアを無理に開けるような音。だがそれは買い物から帰って来たヨッパライ某が建付けの悪い納戸の扉を開ける音だった。カーテンを引くと外は雨

ヨッパライ某はこれから母の病院へ行くとのことだった。ドライブに出かけたい気分だったが、先日ユニットを取り替えたスピーカーのことが気になっていたので、コーヒーを飲んだ後、ネットワークの調整にかかった。ウーファーを外し、ネットワークの基盤からスピーカーにつながっているコードを外す。それを延長して、スピーカーの背面にあるダクトから出し、調整用のネットワークにつなぐ。ウーファーを元通り取り付け、試聴開始。ネットワークが外にあるから試聴しながらカットオフ周波数を変更することができる。目安は700Hz、-6db/oct。計算上では28uFくらいのコンデンサーを直列に入れればOKのはず。家にあったコンデンサーで適当に試したところ、一発目から抜けのいい、広がりのある好ましい音で鳴り始めた。先日ユニットを付けたとき、最初に出てきた音とは雲泥の差。コンデンサーの値に見当がついたので、さっそくネットで注文

新しくしたら懐かしくなくなった

先月、自宅のスピーカーの修理を始めた。中音域を受け持っているスピーカーユニットを交換する作業だ。試しに納戸に転がっていた古いスピーカーを代わりに取り付けてみたら、すごく懐かしい音がして甚く気に入ってしまい、これを使ってみよう、ということになった。しかし、このスピーカーもかなり痛んでいたので、同じものを購入することにした。

同じ型番のスピーカーなんだけど、モデルチェンジのせいで、見た目も音もずいぶん違う。しばらく鳴らしたら変化するのかもしれないが、このままだとちょっとマズイ。近いうちにネットワークをいじることになりそう

青春の終わりの音

ボロボロになったスコーカーを取り替えるべく、ヒマな時間を見つけては代わりのユニットを探している。エンクロージャー側にキャビティがあるのでコーンスピーカーでも行けそう、ということで試しに、納戸に転がっていたフォステクスのFE103を取り付けてみた。
アンプに灯を入れ、聞きなれた音楽をかけてみる。いやはや、なんとも懐かしい音。これはいわゆる一つの、青春の終わりの音。これはこれで悪くない。

スピーカーの修繕

というわけでさっそくボロボロのスコーカーを取り外してみました。ふつう、ドームスコーカーの後ろにはバックチャンバーという空気室が取り付けてあるのですが、コイツには付いてなく、排圧を逃がすための穴がマグネットの真ん中に開いているだけ。その代わりエンクロージャー側に楔形のキャビティが設けてあり、吸音材が詰めてありました。容積は概算で約1.7リットル。バックキャビティがあるのなら、ネットワークのクロスオーバー周波数によってはコーン型のユニットでもなんとか行けそう。ポリプロピレン系のコーンなら、音色もそれほど違和感なくマッチしそうです

新調か修理か

たぶん、女性にはわからないと思うんですが、これは何かというと、スピーカーユニット。低い音を担当するのはウーファー、高い音を担うのはツイーター、そしてこれは、中音域を受け持つ、スコーカーというユニット。

んで、今、これを熱帯雨林で買うか迷っているところ。

長年使ってきたわが家のスピーカーのスコーカーがボロボロになってしまい(ネットで調べたら、このスコーカーは経年変化でボロボロになるという宿命を持っていることが判明)・・・といって、新しいスピーカーを買うのも気が引けるし。スコーカー以外はエッジの弾力性も問題なく、まだまだ使えそう。さて、どうするか。このスピーカーはプロジェクターで映画を見るときにしか使ってなくて、最近、ぜんぜん映画を見ないので不便はなかったのです。が、最近、見たい映画がいくつか脳裏にちらつくようになって

Constellation

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学生のころ、バイトでコンポーネントステレオを買った。アンプはヤマハ、スピーカーはダイヤトーン、チューナーはトリオ、レコードプレーヤーはソニーだった。ある日、それらの装置を買った店から、今度、オーディオマニアを集めて音楽鑑賞会をするから、好きなレコードをもって店に遊びに来てください、との招待を受けた。当時、ぼくのお気に入りレコードは冨田勲のシンセサイザー音楽、ドビュッシーの「月の光」だった。鑑賞会で、ぼくのレコードを演奏する順番が来た。スピーカーからシンセサイザーの電子音が流れ始めた。するとオーディオマニアたちはにわかにざわめき、中には興をそがれたのか席を立つ人も現れた。以来、好きな音楽は?と聞かれても、シンセサイザー音楽です、と答える勇気はなくなった。昨夜遅く、数日前に録画した冨田勲の追悼番組を見た。三つ放送された特集番組のうち、BSでやっていた番組の最後で月の光が演奏された。5.1チャンネルで放送されていたので、音が四方からぼくを包んだ。ぼくは目を閉じた。音は鮮やかな色を帯びて散っては集まり、集まっては散っていった。そしていつしか虚空に吸い込まれ、闇が残った

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