マンダム

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駐車場に植えてあるキンモクセイが満開だ。キンモクセイの開花時期は11月ごろだと思うのだけど、こいつは昨年からたびたび花を咲かせている。植物に血液型があるかは知らないが、几帳面さに欠ける性格からして彼はA型ではない。ご存知のように、キンモクセイは雌雄異株で、日本のキンモクセイはすべて♂である。そう、この国のキンモクセイ界はじつに暑苦しいのだ。
そういえば、かなりむかし、男性化粧品のCMにすごいのがありましたね

なんなんだ

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昼すぎ、ぼくは自分用にコーヒーをいれていた。そしてそれを飲もうとしたときに、月に一回くらいの頻度で現われる不思議な親子がやってきた。そして、推定年齢64歳の母親が開口一番こう言った。
「今日は、何も買わな~い♪」
ぼくはそれを無視して、
「ちょうど今コーヒーがはいったんだけど、飲みます?」
と言った。接客業をされている方ならお分かりと思うが、お客様の言うことをいちいち真に受けていたら狂う可能性がある。
「あら、これおいしいね。朝はこういうのを飲みたいのよ。ねー、これナニ?」
推定年齢64歳が言った。
「トラジャです。インドネシアの夜はこれがないと明けません」
ぼくは言った。
「じつは最近、悪いことが続いて」
と、約32歳くらいの髭を生やした連れが話し始めた。
「それでここに来たんです」
な、なんなんだ。悪いことが続くとここに来るという、その根拠は。
二人は最近起こったという、その悪いことを話しきり、スッキリした顔で帰っていった。
なお、トラジャをご購入いただきました。まいどあり~♪

なんでもないことが

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風邪をひいたのが先週の月曜日。ちょうど一週間が経った。
体調はほぼ戻ったのだけど、あいかわらず嗅覚がほとんどゼロ。
嗅覚が無くても、視覚や聴覚のように逼迫した不便さは無い。
慣れてしまったのか、いつもと変わりなく過ごしていた。
夕方、突然嗅覚が戻ってきた。珈琲豆を袋に詰めようとした時だ。
あっ、と思った。懐かしかった。感動した。涙が出そうになった。

エンゾのパスタ

風邪が治ったら、ニンニクのバリバリ効いたペペロンチーノを作って食おう、と決心していたので、ニンニクをしこたま入れたペペロンチーノを作った。冷蔵庫にタケノコの水煮があったので、それも入れた。うまい。死ぬほどうまい。しかし、ニンニクの匂いがしない。ぼくの嗅覚はまだおかしい。ところでぼくはパスタを食べると元気になる。と、ずっと前から信じている。それは、あの映画を見てからのこと。1988年に公開されたリュック・ベッソン『グラン・ブルー』 。ジャン・レノ演ずるジャックマイヨールの友人、エンゾのマンマが作る、あのパスタ。ぼくはあれを思い浮かべながらパスタを作るのです。
Grand_bleu

君の太陽は燃えているか

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太陽は燃えているだろうか。
いつの間にか消えてしまってはいないだろうか。
もし、それに気づかずに今日まで生きてきたのなら、そこに君はいない。
今の君は君ではない。
さあ、炉に火を入れよう。燃料を投げ込め。
君は君を起こさねばならない。
ちなみに、ぼくの太陽の燃料はシュークリームですがよ。
いったらっきま~す

匂いのない日々

風邪をひいたのが月曜日。今日で5日目。
熱は下がったし、頭痛もほとんどなくなった。
じゃあ、完治したのかというと、そうではない。
ぼくは現在、ほぼ完全に嗅覚を失っている。
ハナが詰まっているわけでもないのに。
試しに今、鼻にアンメルツを塗りつけてみたが、ヒリヒリするだけで、まったく匂わない。
当然、困っている。
珈琲の味がわからない。
味はするのだけど、味の数が、かなり少ない。
不幸だとは思わないが、しあわせが少し減っている。

夢の途中

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昨夜は早く寝た。夕食をとって部屋に戻り、寒気がするので体温を測ってみると38.5度。昨日より高くなっている。まずいと思い、ベッドに直行した。ふとんをかぶって、うとうとしていると、目の前に妙な光景が浮かんできた。ガラス鍋を火にかけ、だれかが料理を作っている。ことこと煮立った湯に、小さなタマネギのようなものを放り込んでいる。その細い指は見えるが、それがだれのものかわからない。ぼくは子供のように、わくわくしながらそれを眺めていた。とてもリアルな光景だった。

薬ぎらい

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かぜをひいてしまった。いつもなら葛根湯で治るのだけど、さっぱり効かないし、熱が出て吐き気がするので、ついに病院へ行くことにした。病院で熱を測ると38.1度。たいしたことないな、と思いながら受診すると、まず、インフルエンザの検査をします、とのことで、鼻に長い綿棒を突っこまれた。その自分の姿を想像したとたん、笑いがこみ上げてきて死ぬほど苦しかった。検査の結果は陰性。当然だろう。ぼくにはインフルエンザには絶対かからないという確信があるのである。もちろんその根拠は無い。結局、ぼくがかかったのは、ただのカゼ、であった。なぜか少し残念な気がした。ぼくは病院でもらった薬は飲まない主義であったが、今回は受付のきれいな女の子に言われたとおり、全部飲んだ。そして寝た。ぼくは単純なのだろうか。飲んで5分もしないうちに、すべての症状が軽くなり、やわらかい日差しの初夏の草原にいるような気分になって、ふとんをかぶるなり深い眠りに落ちた。これだから病院の薬は怖い。
目が覚めると夜の7時であった。体温を測ると、少し下がっている。いい気分だ。でも、できたらもっといい気分になりたいものだ。早く薬をのまなくては。