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南米はブラジルの奥地、熱帯雨林を蛇行するあの長大な川から、今朝方ストップウォッチが届いた。仕事で使う道具なのであるが、夏が近づいてくると、思わずこういう水鉄砲みたいな色のブツをポチってしまうのは仕方ないことといえよう。本当はステンレス製の、仕事に徹したクールなブツをポチるつもりだったのだが

憧れの純正フィルター

掃除機の紙パックフィルターには2種類ある。メーカー純正フィルターと、型紙を切り取ることで、どのメーカーにもフィットする汎用フィルターだ。汎用フィルターはもちろん純正ではない。純正とは、純粋で正しいことだ。だから、そうでないものを使用するとき、人は罪悪感にさいなまれる。そんなわけで、ぼくは後ろめたさを感じつつ汎用フィルターを使い続けているのだった。いうまでもなく純正フィルターは高価だから。前置きが長くなってしまったが、つい今まで、その汎用フィルターを掃除機にセットするのに悪戦苦闘していた。型紙を切り取って、図説のとおりにはめ込もうとするのだが、いくらやっても入らない。だんだんイライラしてきて、ついに掃除機を蹴飛ばそうとしたとき、はたと気づいた。これはP社の掃除機ではない! T社のだった。

海を見ていた午後3時半

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展望台に上がると、そこには若い人や腰の曲がった人たちがいて、そのほとんどが正面に聳え立つ火山を眺めていた。ぼくは南側の手すりにもたれ、海と空の境あたりを見るともなく眺めていた

どうかしているぼく

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朝、何か楽しみがあると早く起きることができる。むかしはコーヒーだった。起きて熱いコーヒーが飲めると思うと、朝早く起きるのは苦にならなかった。でも、サラリーマンをやめてコーヒー屋を始めると、朝起きてコーヒーを飲むのは、さほど楽しみではなくなった。一日中、好きなときに好きなだけ飲めるようになったからだ。最近ぼくは早く起きる。それは、庭に咲いたつつじの花を見るのが楽しみだから。ぼくは朝がヨワイ。ぼんやりしていて、ぼくがだれなのかも分からない。世界と自分の区別が付かない。朝のぼくは自我の壁がペラペラに薄いのだ。生まれたばかりのぼくの意識は朝の空気に溶け出し、朝日を浴びたつつじの白い花と同化する。そう、どうかしている、朝のぼく。
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似て非なるものたち

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去年咲いていた花がまた咲いている。でもそれは同じ花じゃない。もしそれがぼくのためなら、ぼくはだまってだまされ続けよう。知っていてだまされるのと、知らずにだまされるのは、似て非なること

南風

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雨がぽつぽつ降りだした。屋上に出ると若葉の匂いをのせた湿った風が吹いている。南から吹く風。むずむずする風