道ばたに菜の花が咲いている。おそらく今こそが菜の花の季節なのだ。冬の真っ只中に菜の花が満開、という風景はクレジットで手に入れた贋物の春
今、ここにいる
もしも明日が晴れなら
さらばカルミン
やっぱり夏がええ
勇気があれば
海を見ていた午後
これといって、いやなことがあったわけでもないのに、かなしくてゆううつな一日がはじまってしまうことがある。そんなときに聞く音楽
たおやかな声
日が沈んだころ、いつものお客さんが店にやってきた。マンデリン四つ!、彼女はいつものように不機嫌な声でいった。店内には古い日本の歌が流れていた。このころの歌はよかったね、歌手の声もたおやかだ、とぼくがつぶやくようにいうと、きびしかった彼女の顔がにわかにほころび、たおやか…。ああ、久しぶりに聞いたわ。といい、遠くを見るような目になって、しみじみと、ほんとにいい言葉だよね、といった。そして、忘れるといけないから紙に書いて、といって、その紙を大事そうにしまい、うれしそうに帰っていった








