人それぞれだろうが、ぼくの物語に登場する夏の風景にはヒマワリ畑があって、むかし見た映画よろしく、無数の黄色い花が風に揺れている
ぼくはそこでなにやらぼんやりしたメッセージを受け取る。それはちょうど、過酸化水素水に二酸化マンガンを投入してプクプクと酸素が発生するのに似ている
朝起きると6時だった。いつもは7時半頃に目が覚めるのだが、休日の朝はなぜか早い。パソコンを立ち上げ、天気予報を見ようとしたら突然ブルーバックになった。以降、電源は入るのだが、何度やっても起動しない。コード類を全部外し、ふたを開けて点検。せっかくの休みの朝がパソコンの修理の時間になった
パソコンの修理を終え、車の1000km点検に出かけた。ぼくは9時に予約したつもりでいたのだが、車屋に行くと、まだ閉まっていた。ガラスドアには10時開店と書いてあった。1時間もあるので、磯海水浴場に行ってみることにした。途中、じゃんぼ餅屋に寄って、朝食にしようと思ったが、こちらも閉まっていた。海水浴場では何か催し物があるらしく、テントが立っていた
今日は海の日なんだそうだ。というわけで、山の上にある美術館に出かけてみた
山の上の美術館では「顔の惑星」という美術展をやっていたが、これが変態的な趣向を帯びていてとても面白かった。この絵は額に収まっているのだけど、膨らませたビニール袋に描いてあり、見る人にぐっ、と迫ってくる
ウーパールーパーパーティー。左の作品は、200円投入すると綿菓子も作れます
どんな人が作っているのだろう。と思って美術館のHPを見たら、普通の女の子だった
ウーパールーパーを見てたらウナギが食べたくなったので、曾木の滝公園でウナギを食べることにした。ここの茶店のウナギ定食はなぜか安い。写真は曾木発電所遺構。ダムの水位が低いので、今はこんな感じ。鶴田ダムに行こうとしたが、途中、通行止めになっていてUターンを余儀なくされた
車の慣らしを兼ねて、太平洋を眺望できるあの岬に出かけることにした。この岬に立つと、だれもが人生の大きな問いについて思わず考えてしまうという
人生の問いは大きすぎて見えない。そこで、海の果てまで照らす巨大なレンズを使い、霧に煙る深い闇を端から探るように照らしてゆく
だが、答えが見つかる保証なんてどこにもない。見つからなくてあたりまえ。しかし、だからといって何もしないのは戦わずして負けることだ。人生とは戦いそのもの。そしてその最大の敵は自分。自分ほど厄介な敵はいない。旧約聖書にこうある。「怒りをおそくする者は勇士にまさり、自分の心を治める者は城を攻め取る者にまさる」。そういうわけで、ぼくは入場料200円を払い、長い階段を上りはじめた
雨が降っている。こんな日は雨戸を閉め、部屋を暗くして映画なんか見るのがいい。でも、どうしても今日はドライブに出かけなくてはならなかった。行くところがあるからではなく、車をどこかに走らせなくてはいけない。そうしないと、必ず後で後悔することになる
車は半島を貫く山脈の稜線上を走りつづけ、怪獣池を半周し、某火山の麓にある植物園に到着した。激しくはないが、小降りでもない雨がホワイトノイズのように降り続いていた
傘をさして園内を歩く。傘の真ん中に穴が開いていて、そこから雨が落ちてくる。先日、傘の骨が折れたので修理したのだけど、その時に開いたらしい
200円のビニール傘を修理して使う人はあまりいないかもしれない。修理したといっても、なんとか使える程度になっただけで、骨はいくつか外れたまま。踏みつけてへこんだ洗面器みたいな有様だ
こんな傘が似合うのは俺くらいかも。でも、自分で修理した傘をさして雨の中を歩くのは愉快だ
雨の日に植物園にやってくる人はいないだろう、と思って歩いていたが、どこにも変わった人はいるもので、一組の変なカップルと一人のマスクをした女性とすれ違った