昨夜はビール片手に暮れなずむ空をいつまでも眺めていた。やがて星が一つ、二つと輝き始め、何か新しいことが始まりそうな予感がしたのだった。宇宙は途方に暮れるほど広く、めまいがするほど深い。ちょっと寒かったが、いい気分だった。そんなわけで今日は久しぶりに宇宙人に会いに出かけることにした
彼らが母船から脱出するために使ったライフポッドは錆にまみれてはいるものの、まだ同じところにころがっていた
いつの間にか彼らが飼っている宇宙犬がぼくを嗅ぎつけて近寄ってきた
なんだ君か。林の奥から宇宙人がやってきて言った。といっても、声に出して言うのではなくテレパシーで言うのである
久しぶりだな、と、彼は言い、熱いコーヒーでも淹れよう、と言った