ギーガーのカップ

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今日で連休も終わり。降り続いた雨もやっと上がり、朝から青空が広がっている。コーヒーをポットに詰め、ぼくは山を越え田畑を抜けて南西の海へと走った。目指すは海に面した小さなレストラン。去年の秋以来、何度行っても閉まっている。今日はどうだろう。070507_02海沿いの道路から店を見下ろすと、駐車場に車が数台止まっている。店のドアも開きっぱなしだ。開いてるように見えるが… 開いていた。しかも、お客さんがいた。ぼくは店内を通り抜け、いつものように屋外デッキに出ると、テーブルとイスを海側に引きずり寄せて海に向かって腰掛けた。しばらくしてメニューを持ったおっちゃんが現れた。
「連休中は、さっぱりだった」
おっちゃんは開口一番、悲しそうにつぶやいた。
「ずっと雨だったからね」
ぼくはそういってコーヒーを頼んだ。
海を見ながらコーヒーを飲み、ぼんやりしていた。海からずっと風が吹いていた。ぼくはこういう時間がとてもいいもののように思う。
帰りがけ、出口近くの棚に変なコーヒーカップを見つけた。
「これ、売り物?」ぼくは聞いた。
するとおっちゃんは
「買うの?」といった。
「いくら?」ぼくはきいた。
「ほんとうは2000円だけど1500円でいいよ」
ぼくは買うことにした。H・R・ギーガーがデザインしたエイリアンの卵みたい。ちょっと気持ち悪いけど、こういうデザインって好き。
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“ギーガーのカップ” への2件の返信

  1. そうですか。
    あやさんにそう言ってもらえると、とてもうれしいです。
    だって、「このヒト、激しく変な趣味だな」と思われたのではないかと、写真をアップしたあとで、やはり後悔していたのです。というわけで、もしかすると、あやさんも「変な人」と思われたかもしれませんよ。ところで、このカップでナニを飲むんでしょう。濃いコーヒーも良さそうですが、なにか、どろっとした、ゲル状の黒々したものがピタッとマッチする気はするのですが。

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