発火

青春時代。自分が何をやっているのか分からなかった。過去も未来もなかった。今がすべてで、遠くを見る余裕などなかった。ただただ、地面を這いまわっていた。虫は火に飛び込んで死ぬ。人は自ら発火し、自分を焦がす。時は過ぎた。今は同じことをやっても、どこかオモシロ半分な不真面目さが付きまとい、発火することがない。煙も出ない。作戦を変えなければ。

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