薔薇の匂い

帰りに寄ったお客様の家。日本家屋の広い玄関。暗い白熱灯の明かり。廊下の隅に薔薇が数十本活けてあった。お客様は珈琲の代金を取りに奥の部屋へと消えた。薔薇が仄かに匂う。あっ、と思った。ぼくは靴をはいたまま四つんばいで薔薇に向かい、薔薇に顔を突っこんでいた。我に返り、急いで土間に戻ると、ちょうどそこに奥さんが戻ってきた。危機一髪だった。だが、もし何かあってもぼくに罪はない。もちろん美しすぎる薔薇が悪い。

“薔薇の匂い” への6件の返信

  1. 「許しておくれ、君が美しすぎるのが罪なんだ」
    女性だったら、一度は言われてみたい言葉でしょうね。
    ぼくも言ってみたいのですが、どんな顔をして言えばいいのか悩みます。美しさは時に盾、また矛として機能する高度な武器ですよね。戦意を萎えさせ、理性を狂わせ、善悪の判断をも誤らせちゃう。
    バラ盗人許さるべし。という言葉がありますが、好きな言葉です。

  2. ウフ♪
    ところで最近ワタクシ、職場の男性たちから「女王様」と呼ばれるようになりました。
     理由は明日締め上げて吐かせてきます。

  3. わかります。
    あきこさんには黒エナメルのハイヒールが似合うと思います。
    昼は薄いピンクのバラ、夜は赤いマスクに表情を隠し…
    で、痛くないムチで(笑)

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