昼過ぎ、サラリーマンだった頃の同僚が遊びに来た。彼とは、よく飲みに行ったものだった。まず一軒目でバーボンを一本空け、次に、深夜まで開いているショットバーでダイキリを飲む。いつもこのパターンだった。酒の肴は、理想の女についてだったり、相対性理論だったりした。彼もぼくも科学大好き少年だったので、自然の謎についての話が弾むことが多かった。
「顕微鏡で自分の精子を見たときは感動したな」
グラスを傾けながら、彼は感慨深げに言った。負けたと思った。どうやって自分の精子を抽出したのかは、聞いたような気もするし、聞かなかったような気もする。そんな話の中で、ぼくはたぶん、
「トックリバチの巣をまだ見たことがない。一度見てみたい」
と言ったのだと思う。
小学生の時、通学路でぼくはそれらしきものを発見した。どう見ても、図鑑に載っているトックリバチの巣だった。それは、知らない人の家の塀の向こうの木にぶら下がっていた。ぼくは塀によじ登り、それをちぎって大事に持ち帰った。しかし、それは干からびたザクロだったのだ。
彼はその話を憶えていて、トックリバチの巣を持ってきてくれたのだった。それはお菓子の箱に入っていた。想像したのより、ずいぶん小さかった。遠い昔、田舎のばあちゃんがグリコの空箱にクワガタを入れてくれたのを、ふと思い出した。
“空箱” への9件の返信
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さめは学生時代、ウニの精子をよくいじってましたよ。
・・・ヘンなとこに反応してモウシワケナイ。
自分とこに実験ネタをアップした後ココに来たら、
そんなことが書いてあったもんだから。
マスターの白昼夢体験とちょっぴりおんなじ気持ちがしました。
こんばんは。
弥生時代を生きたピグミーマーモセットの
手による土器・・・・・って感じ。
そのご友人は、トックリバチの巣を見つけた時、
「これは是非‘匙クン’に見せてやらにゃ~」
と思われたんでしょうね。
私もそんな人とオトモラチになりたいものです。
☆科学少女、さめさんこんばんは。
そうそう、ウニの精子、あれは遊べますよね。
ゼッケンをつけて走らせる、ウニ精子ダービー。
あれはコウフンします。でも、勝ちを焦っていじりすぎると、ドーピング疑惑で捕まるんですよね。
☆totto*さん、こんばんは。
このトックリ、かわいいでしょ?
何でも、小さいとカワイイですよね。さめさんがいじりまわしたウニの精子だって、30センチもあれば、グロですから。
こういうトモダチ、欲しいですか? でも、別の見方をすれば、金目のものをくれる友人は少ない、って事かも(笑)
金目のモノをくれる友って魅力的か??
・・・って、釣られてあげる(笑)
些細なコトでも覚えていて、心に留めててくれる友だち。
思われているってのは、めっさありがたくてシアワセなことやん。
そんなトモダチが欲しいってんじゃなくて、
そんな人とはトモダチになりたい・・・なんだよね。
この違いは、GOLD-BLENDを飲むとわかるんだよ♪(←猛毒:笑)
なるほど、totto*姉も、たまにはええことゆうね。
そう、もっというなら、ワタシも相手にとって、そんなトモダチでありたいよね。
そういう関係って、同姓であろうが、異性であろうがセクシー。
言葉がなくても通じ合えるんだよね。
ぼくはそう思うよ。
そうだよ。そうだよ。
ワタシもたまにはエエことも言うんだよ。
何せ今日は13日の金曜日だし・・・(←無関係)
>ワタシも相手にとって、そんなトモダチでありたい
↑そう!一番大事なのはココですよね。
この境地にいたらなきゃ、そんな友を得る資格はあるまい。
ってことで、ワタシは資格充分なのです(爆)
さ。オークションも落札できたし、寝ようかな (´∀`*)
GOOD-NIGHT:*:・°`☆、。・:*:・°`★
totto*さんは、たしかにその資格を手に入れてるみたいだね。
で、その資格、どこのオークションで落札したの?
マグルの世界にはなさそうだけど(笑)
空箱! まさ目の前のマイPC。機械の一番の価値は効率。生き物に効率よくやれと言ったら、生まれてすぐ死ぬのが一番(笑)。生きているという時間そのものは何ともむだだけれど、時間をかけるプロセスこそか゛生きていくということかなー、なんてくだらないことを考えてながら次のPCステーションを首を長くして待っている妙な自分。いまは原稿用紙&鉛筆で愉しんでます。因みに携帯での投稿は時間がかかりますぅー(^^ゞまたね☆
そうかー、機械は効率なんですね。
あれは同じ事を無駄なく繰り返し行うのが努めですから。
となると、人間らしく生きるには、無駄なことを一生かけて一回きりやるのがいいのかもしれないですね(笑)