休みの朝はぼんやりしている。カップにコーヒーを注いだ。カップを覗きこんだら、黒い渦ができていた。中心に何かあるような気がして、スプーンで突っついてみる。なにもない。ぼんやりしているからアホなことをする。ぼくらのすむ宇宙には、なにとなにがあるんだろう。光と闇。エントロピーが支配する中にあって、渦には求心的なモチベーションがある。意思かもしれない。明け方も近い深夜、東の空にアンドロメダが見える。豆粒ほどの雲はアンドロメダ星雲のバルジだ。見たことのある方なら思わずうなずくだろう、あれは小さな雲に見える。ぼくは銀河系という島のはずれから、それはそれは遠い過去、230万年前の島を眺めている。