デジャビュ

昨夕、店じまいをしていると、この辺りでは見かけない、どこか未来風の服に身を包んだ若い女性が入ってきた。まだ大丈夫ですか? 推定身長172cmの彼女は言った。大丈夫ですよ。と、ぼくは応じた。彼女は深煎りの珈琲豆を二つ買い、勘定を済ますと、にっこり笑って、写真を撮ってもいいですか?と言った。かまわないですよ、というと、バッグから大きなレンズのついたキャノンを取り出し、軽いフットワークで店内を回り、シャッターを切った。ぼくはデジャビュを見てる気がした。ずいぶん前になるけど、これとそっくりなシーンがあった。ただ、それぞれの彼女が持つキャノンのシャッター音が違った。今のキャノンはとても静かだ