朝起きて、真っ先にコーヒーを淹れる。それを二つのカップに注ぎ、一つをヨッパライ某のベッド横のテーブルに置く。彼女はまだ眠っているから。南向きの部屋の椅子に腰掛け、本を開く。読みふけっていると、ふいに部屋が明るくなり、思わず顔を上げる。雲間から太陽が顔を出していた 今日はアナログビデオのデジタイズに没頭していた。退屈な作業なのだけど、古いビデオをモニターしていると、おもしろくてつい見入ってしまう。登場する家族、友人たちが別人のように若い。映像に酔ったのか、理性が飛んでタイムスリップしてしまう。途中、階段の照明器具が壊れていたのを思い出してデジタイズを中止、修理した長い休みとはいいものだ。好きなことにたっぷり時間を充てられる。録画したベンハーを見た。かなり長い映画で尻が痛くなった。ぼくが記憶するベンハーは大掛かりな映像で圧倒するハリウッド的なものだったが、今回あらためて見て印象がずいぶん変わった。ガレー船や戦車レースのシーンが際立ってすばらしいのは記憶どおりとして、今回は映像よりも、この映画の根底を通奏低音のように流れつづける深遠なテーマに心捉われ、感動した。いやー、映画って本当にいいもんですねー、サイナラ、サイナラ、サイナラ