雨の休日

雨の音で目が覚めた。時計は9時15分を指している。雨の日は地球の引力がいつもより強いような気がするから不思議だ。ベッドから起き上がり、その勢いで顔も洗わずに部屋の掃除を始めた。基本的に休日はアドリブなのだ。本人でさえ今から自分が何を始めるのかわからない。休日とはそういうものだ。気が付くとぼくは熱いコーヒーを飲んでいた。何か頭を使うことを始めるのかもしれない。いやちがう。ぼくは撮りためた古いビデオのデジタイズに取り掛かっていた。自分が写っている古いビデオを見ながらぼくは重大なことに気が付いた。若いころのぼくはとても若い!当たり前のことだが、それはむかしのぼくに有って、今のぼくに無いものだった。と同時に、今のぼくに有るものが、そのころのぼくには無い。何てことだ。自分のことだからそれがよくわかる。客観的に。ぼくは変な気分になった