わが家の庭は宇宙の法則で運営されているので、ぼくがちょっかいを出さない限り、ひたすらヤブ化していく。畢竟、それが自然なのだ。などと言ってヤブ化しつつあるわが家の庭を正当化するつもりはない。そのヤブの中に、いつの間に生え出たのか、一本の野生の木がぼくの考えるリミットを越える高さまで伸びて風に揺れていた。台風が近づいているのだが、この木が風に煽られてお隣の駐車場に倒れたら面倒だと思い、のこぎりを手にヤブの中に踏み込んでいった。すると、懐かしいデザインのクモがぼくの行く手を阻んだ。ぼくはこのクモが子供の頃から大好きなのだった。ぼくはUターンし、家を一周して別の道からヤブに侵入した。


