永劫回帰的祝日の夜

家に帰り着き、車を車庫にとめて気づいた。助手席に積んだはずのカバンがない。どうやら積み忘れたらしい。おそらく店の階段の手前に置いたままだ。現金が入っているので、そのままにはしておけない。ぼくは来た道を引き返した。なんという無駄だろう。同じことをただ繰り返すのは虚しい。ぼくは悔しかった。しかし、車を走らせていると、同じ道なのに、さっきとは違っていた。それは、ぼくが今を生きているからだった。過去を生きていないし、未来も生きていない。ぼくはいつのまにか今を生きていることに気づいていた