皇徳寺跡。意外にもそれは、わが家から直線距離にして300mほどの近場に座している。しかし、もしそこへ最短距離の徒行を試みるなら、崖っぷちを巡らせた高いフェンスを乗り越え、樹の生い茂る急勾配を恐る恐る下ることになる。今日は久しぶりに、ぼくの住む団地の周りを探検してみた皇徳寺は、福昌寺末寺で寺領100石、七堂の伽藍を備え、堂々たる寺であったが、明治2年の廃仏毀釈によりこわされてしまった。今でも仁王像、無外円照和尚、円照の師、峨山禅師の供養塔や歴代和尚の墓などが残っており、杉馬場、下馬先、寺屋敷の地名もそのままでこれらの遺跡は、当時の皇徳寺がいかに大きかったかがしのばれる。 (仁王像の脇に立てられている案内板より抜粋)案内板で紹介されている歴代和尚の墓。獣道といってもよさそうな細い山道を分け入った竹林の中にある。