ニューシネマパラダイスが急に気になりだした。
店がヒマになった夕方、DVDをパソコンに入れて見始めた。
ぼくが気になっているのは、あの写真技師、アルフレイドの正体。
彼がトトに行ったことは何なのか。
残酷非情な男アルフレイドは自分の描いた理想の人生シナリオを、若さゆえに分別のない少年トトに歩ませる。その手口は巧妙だ。そしてそれは、まんまと成功。そこに友情なんか微塵もない。これはスリラーだ。と、いうのが、ぼくが抱いていた感想だったのだけど、違うような気がしてきたので、もう一度見てみようと考えたのだった。
と、見始めたところでキュートな客さんがいらっしゃったので中断。うひゃひゃ。
明日はヒマだろうか。
なぜ巷の評価と、ぼくの感想がこんなにも違うのか分かりました。
ほとんどの方がご覧になってるのは劇場公開版で、ぼくが観たのはオリジナル版だったからのようです。
ぼくはまだ劇場公開版を観てないのですが、オリジナル版は観ない方がいい、蛇足、というのが大方の意見らしいです。
劇場公開版をみたあとでオリジナル版を観ると、「なんじゃこりゃ」ってことになるようです。それほど違うものらしい。
次はネット上で見つけた、きわめてマレな意見なんですが、正しい考えのように思うので、ここに書いておきます。
「劇場公開版は米国で上映する為に2時間枠にむりやり収めたものなので、やはりオリジナル版を見るべきでしょう」
「劇場版」を借りて見ていた私に「オリジナル版もあるよ♪」とオットの甘い囁き。パラダイスな一夜を送った新婚の私たちでございました。
感想。
ロマンティックなのは劇場版。こちらのファンが多いのも分かります。
恋の切なさ・人生のほろ苦い味わいを知る人はオリジナル版。オットはこちらが好き。
かなあ~。本当に苦しい恋をした人も、オリジナルを見ると哀しくなるかも・・・なーんて知ったかぶり。
アルフレイドに関して、スプーンさんと同じような思いを抱いていたのですが、寺暮らしで地域のお年寄りとご縁が多くなってからは、アルフレイドがあのような行動を取った気持ちが、なんとなく分かるような気がしてきました。私も年を取ったのかしら?
私はどちらも好きなんだけど、トトがエレナのメモを見つけるシーン、あそこは胸にきゅ~っとくるんですよ。劇場版でも、あのシーンが入ってれば良かったのに。
今日は雨だし、DVDを借りてこようかなあ。
ふむふむ、やはりあのシーンが端折ってあるんですね。となると、当然ながらアルフレイドの問題の行為はカット。う~ん、信じられない。現在この映画はぼくの中でベストスリーに入ってるんですが、あれを省いてしまうと多分…。ジャックペラン演ずるトトの悩ましい顔、人生を愛する孤高な大人の顔、が気に入ってるだけに。しかし、劇場版があるからこそ、こういう楽しみ方も持てるわけで…ぼくは今とてもハッピーです。刹那的ながら、パラダイスにいるみたい。劇場版が一段と楽しみになりました。