苦いコーヒーを飲みながら

ぼくは今コーヒー屋をやっているのだけど、「この仕事をやってよかった」と思う時がタマにある。自分で好き勝手に始めた仕事なんだからタマに、ではなく、いつもそう思っているハズなのだが、そうでないところが残念といえば残念だ。昨日は10歳くらい年上の常連さんとコーヒーを飲んでいるうちに「人生」的な話になった。しばらく話しているうちに、その常連さんの人生を変えた本の話になった。常連さんは、その本を読んだことで世界観が大きく変わったのだという。話を聞いていて、ぼくもその本を読んでみたくなった。その本とは、エンゲルスの「空想から科学へ」。常連さんが話題に出さなければ、おそらく一生出会うことのなかった本。あとで思ったのだけど、常連さんは、その職業柄、今のぼくが読んでおいたほうがいい本をさりげなく提示されたのかもしれない。コーヒーのおかげで、いろんな人と人生の話をする機会が得られているように思う今日この頃。