投稿日: 2010年8月31日 火曜日 投稿者: spoonはなび 晩飯のあとで屋上に上がった。夜の帳はとっくに下り切って、月のない空に青白い星が瞬いていた。夏のあいだ南の空に君臨していた巨大なサソリは大きく傾き、山の向こうに消えようとしている。目に見えない時計の針が闇の中を音もなく回転し、なにもかもを連れ去っていく。屋上に出るペントハウスの奥に、埃をかぶった花火の袋を見つけた。偶然か必然か。8月31日の夜