お客さんがこんな話をした。それがだれだったか、どうしても思い出せない。もしかすると、あなただったかもしれない。それは、こんな話だった。
「クリスマスが来ても、いつもと違うような、フワフワした特別な感じがしなくなってきた。たぶん、歳をとってきたせいなんだろうね」
それを聞いて、ぼくはハッとした。意外にも、ぼくはそうじゃない。その時気づいたのだが、逆に、前よりずっと、感慨深くクリスマスを迎えている。理由はわかっている。「冬至」のせいだ。ぼくの冬至への思いは年々募っている。ぼくにはこういう予感がある。いつかきっと北欧に出かけ、冬至祭に行く。