「チーズはどこへ消えた?」って本、持ってない? と、息子に尋ねられた。むかし読んだ気がするから、どこかにあるかも。探しておくよ、と返事した。薄っぺらい本だったし、確かに読んだはずなんだけど、どんな内容だったかまるで思い出せない。本棚の奥にあったので取り出し、パラパラめくる。いわゆる自己啓発本。これを読んで、ぼくは少しくらい変化したのだろうか。ちょっとわからない。本を読んで人生が大きく変わることはある。ぼくの場合、それはハインラインの「夏への扉」。この本と出合わなかったら、ぼくはまだ冬の中にいただろう。