「豆乳鍋を食べたい」という家族からのリクエストがあったので、山の上の豆腐屋に豆腐と一緒に豆乳を配達してくれるよう、メールを送った。すると、豆腐屋の美しい奥様から次のような返事が届いた。
ありがとうございます。承知致しました。
爽やかな秋晴れが続いてますね。ここから直ぐの丘の向こうの集落に、向日葵が一面に咲いてる所がありますよ。一人5本まで持ちかえり出来ます。鎌も置いてあります。地域おこしの一環なんですが。向日葵の黄色の透き通るような爽やかさは、真夏の向日葵では味わえませんぜ ♪
ひまわりが一面に咲いている? やれやれ、七日は立冬だというのに。ひまわりは夏のシンボル。夏の訪れを知らせてくれる大切な花。ぼくの精緻な脳内カレンダーが狂っちまったらどうしてくれるんだー!とかいいつつ、車を南に走らせた。
たしかにひまわりは咲いていた。でもそれは夏に咲くひまわりとは別のなにかだった。そう、これは夏の幻。あぜ道に置かれたベンチに腰掛け、秋のうららかな日を浴びながらうとうとしていると、過ぎた夏が夢のように走り抜けていった