夜の散歩

夕食後、ヨッパライ某を誘って散歩に出た。空のてっぺんに太った半月が掛かっていた。遠くを救急車が走って行った。静かだね、と彼女が言った。いつもこんなだけど、と思ったのでぼくは黙っていた。桜がいっぱい咲いていた。桜餅の匂いはする? と聞くと、しない、と言った。昨日はどうだった? と聞くと、した、と言った