雨の街

ヨッパライ某が映画を見たいというので久しぶりに街に出た。君の膵臓をたべたい、という物騒なタイトルの映画で、ヨッパライ某はこの原作を20回以上読んだのだという。そんなにおもしろいの?と聞くと、うん、わたし的にはね、とのことだった

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映画館を出ると雨が降っていた。青い染みのような喪失感が心のどこかに薄く広がっていた。女の子のあるセリフがそうさせたのだ。秋風が吹きはじめるこの時期に見るにはちょっと辛い映画だった。
近くのパスタ屋でスパゲッティでも食べようと歩き出したが、入り口のシャッターに「今日は事情により休みます」との貼紙が。最近、こんなことが多い。しかたなくビクター犬のいる洋食屋に行き、オムライスを頼んだ。主人公の女の子はこの小さな旗を見て、なんていうだろう

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本屋をぶらついてるうちに、いつもの自分に戻り、カキ氷を食べて家に帰った

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夕食後、ヨッパライ某から本を借りて、あのセリフを探し始めたが、背後にふと冬の気配を感じて本を閉じた