抜け殻

170309_01

抜け殻は午後の日差しを浴びて琥珀色に輝いていた。彼はこの時間が好きだった。抜け殻はよく思い出す。あれは夏が始まったころ。抜け殻が止めるのも聞かず、中身は透き通った羽根を広げ、青い空に飛んで行った。その数日後、抜け殻は風の便りに聞いた。中身は鳥に食べられてしまったと。抜け殻はつぶやいた。そら見ろ、言わんこっちゃない