チューリップ

170227_02

冬の次に春が来るというのは、いいものだ。嫌いなものを先に食べれば、好きなものだけが皿に並んでいるのに似ている

170227_01

天気がよかったので、南に車を走らせた

170227_04

春というのは、いいものだけど、その心地よさにどっぷり浸ることができない。安心できない何かがある。雲一つないはずの空に、よく見ると灰色の雲が一つ浮かんでいるような、あの感じだ

170227_03

園内を歩いていると、ひどく腰の曲がった老夫婦とすれ違った。爺さんが提げていたピクニックバスケットが妙に浮いていた

170227_05

冬が今より嫌いだったころ、この植物園によくチューリップを見に来たものだった

170227_07

そのころ、この植物園では、今よりたくさんのチューリップが咲いていた

170227_06

そのときのぼくは、ダニィが夏への扉を探していたように、必死に冬から逃げようとしていた

170227_08

今でも冬が終わるころ、それを確かめるためにここに来る

170227_09