車の慣らしを兼ねて、太平洋を眺望できるあの岬に出かけることにした。この岬に立つと、だれもが人生の大きな問いについて思わず考えてしまうという
人生の問いは大きすぎて見えない。そこで、海の果てまで照らす巨大なレンズを使い、霧に煙る深い闇を端から探るように照らしてゆく
だが、答えが見つかる保証なんてどこにもない。見つからなくてあたりまえ。しかし、だからといって何もしないのは戦わずして負けることだ。人生とは戦いそのもの。そしてその最大の敵は自分。自分ほど厄介な敵はいない。旧約聖書にこうある。「怒りをおそくする者は勇士にまさり、自分の心を治める者は城を攻め取る者にまさる」。そういうわけで、ぼくは入場料200円を払い、長い階段を上りはじめた