dance dance dance

珈琲豆を焼き終わって、ほっと一息。コーヒーを淹れ、BGMを先日ネットで買った古いアルバムに切り替える。20代前半、繰り返し聞いたビートの効いた音楽。リズムに反応して思わず体が動き出す。ディスコに通っていたあのころが懐かしい。サラリーマンだったころ、パートのオバさんやバアさんたちを引き連れてマハラジャに行ったことがあった。彼女らはグラスに注がれたピンクやブルーの甘い酒を好奇心の赴くまま手当たり次第試していたが、ぼくが目を離したすきにお立ち台によじ登り、それぞれ思い思いの振りでくねくね踊り始めた。本来そこはスラリとした鑑賞系の美女がスポットを浴びて踊るところ。スモークが焚かれ、ミラーボールは相変らず回っていたが、ぼくはすっかり酔いがさめてしまった。彼女らは大変喜んでいたが、店を出たころから次第に青ざめ、何人かは道路にしゃがんでゲーゲー吐き始めた。またとない忘れられない夜になった