投稿日: 2015年10月25日 日曜日 投稿者: spoon月夜 月が明るかったので散歩に出かけた。公園を突き抜け、坂を下り、街灯のない道をとぼとぼ歩いた。月がなければ真っ暗な道。ふと、だれかが後ろにいるように感じて振り返るが、だれもいない。川に出た。川の流れる音を左手に聞きながら川を上っていく。月の光が真上から降り注いでいる。冷めた青い光。どこかで犬が吼えはじめた。この世のものとは思えぬ奇妙な声。宇宙語で話しているように聞こえる。しばらく歩くとまた川の音だけになった。ぼくは川を上っていく