昨夜のこと。ぼくは屋上に出てぼんやり星空を眺めていた。東の空には早くも冬の星座、オリオンが横たわっている。月が昇ってきた。ぼくはイスにもたれ、プレアデスとカシオペアの間あたりを眺めていた。するとそこに細長い、今まで見たこともない奇妙な物体が飛んできた。といっても、それはとても暗く、うすぼんやりしてて正体がつかめない。白っぽい縄梯子のようにも見えるし、たくさんの貨車を連結した貨物列車のようにも見える。それが星の海を音もなく南南西のほうへ飛んでいく。距離感がまったくつかめず、どれくらいの高度を飛んでいるのか分からない。長さは視野角4度くらいだったと思う。いったい、あれはなんだったのか。
部屋に戻り、頭の中で情景をもう一度プレイバックしてみた。ふとひらめいて、ネットで検索をかけてみた。検索の文字列は「渡り鳥 夜 飛ぶ」。時節柄、もしかすると渡り鳥かもしれないと思ったからだ。でも、真夜中に鳥が飛ぶだろうか。調べてみると、渡り鳥は夜も飛ぶらしい。はてさて、あれはなんだったのだろう