昨日の午後のこと。いつもの豆腐屋がいつものように豆腐を持って店にやってきた。しかし、いつもの彼はいつもの彼ではなかった。顔に死相が表れている。そうか、あれか。ぼくはたちどころに状況を察知した。よせばいいのに、彼は毎年、某なんとかマラソンに出場しているのだ。今回、それは凍るような雨の中で開催されたのである。走ったのか?と聞くと、うん、と、彼は頷いた。ずいぶんやつれているようだが。と聞くと、うん、低体温なんとかかんとか…と口ごもった。そしてふいに笑顔になり、奇妙な話を始めた。走っているとね、横殴りに吹き付ける雨が耳に入るんだ。それが耳を伝って口の中へ流れ込んでくる。彼は真剣な顔で言い、耳と口はつながっているからね、と付け加えた。ふーん、じゃあ、耳クソも口に流れてくるのか?と聞くと、もちろん。と、彼は言った。ぼくには納得できない話だったが、豆腐屋がうそをついているようには見えなかった。写真は、彼が持ってきた豆腐と豆乳で作った豆乳鍋。
“走る豆腐屋” への2件の返信
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友人も毎年参加している某マラソン。
前日入りして、テントで寝るんですって。
渋滞するから・・・
そんな、ランナーの気持ちには一切なれないわたくし。
走る理由はない。走りたいから、みたい。
でも、指宿がにぎわうのは大変結構なお話。
お天気悪くて残念でしたね。
店のお客さんには、このマラソンに出場する人がけっこうたくさんいます。長距離を走るのって、肉体にも精神にもかなりキツイでしょうから、肉体も精神も弱いぼくは、ただ驚くばかり。のんびり歩くのは大好きなんですけどね。できたらコーヒー持参で。