海を見ていた昼

121112_07
その日ぼくは海に向かって車を走らせていた、ぼくは隣の女性に言った。潜水艦ノーチラス号にはパイプオルガンが装備されていて、ネモ船長は海中を航行しながら、重厚な楽曲を演奏するんだ。いいなあ、この車にもパイプオルガンが欲しいな。すると、となりの女性は、また始まったぞ、とばかり、うんざりした顔をした。車は海の近くの小高い丘に上った。車から降りると海が見えた。見かけない船が西に向かっている。ぼくにはそれがノーチラス号に見えた。