愛の選択

わが家の洗濯機はけっこう古い。家を建てたときに買ったのだから、もう20年になる。夕方、自宅から電話があった。洗濯を終えて取り出した洗濯物がビショビショだ~。どうやら脱水ができなくなったらしい。帰宅して夕食をとり、今日最後の元気をふりしぼって洗濯機を持ち上げ、横に寝かし、中を覗き込んだ。モーターを手で回してみると、案の定、Vベルトがスリップする。ベルトを交換すれば元のように動きそうだ。ベルトに MITSUBOSHI M-19.8 と書いてあったので、それをメモ。とりあえず応急措置として、ベルトとプーリーを布でよく拭き、滑らないようにした。洗濯機を起こし、さっそく、濡れたバスタオルなどを投げ込んで脱水ボタンを押してみた。脱水機は広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のように回転し、行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。そう、彼女は恋に落ちたのだ。まるでスプートニクの恋人のように。つづきません

“愛の選択” への2件の返信

  1. つづきません。うけました。てかうちの洗濯機も最後は、脱水できずに新しい洗濯機買いましたよ。最近の電化製品のほうが、エコだし、早く新しいの買ったほうがいいですよ。

  2. そうですね、そういう選択もありますね。
    でも、今使っている洗濯機には、なぜか愛着があって、捨てられそうもないです。なんでかな~

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