地下道その2

昨夜から一階の納戸付近で卵が腐ったような異臭が漂いはじめた。おそらく地下空洞で何かあったのだろう。空洞に通じる扉に隙間ができて地下の空気が漏れ出した可能性が高い。扉を交換するにはまだ早いと思うのだが。前回交換したのが2006年の10月だから、あれから4年経ったことになる。早いものだ。その前に降りた時は扉の向こう側に骨と皮になった動物の死骸が無数に折り重なっていた。一見、犬に見えるが猿のようでもある。まったく得体の知れない不気味な代物だった。万が一そいつらが扉を開けて家に入り込んできたら。想像しただけでも鳥肌が立つ。ことは緊急を要しているのかもしれない。扉の様子を見てこなければ。ぼくは納戸の奥の羽目板を外し、地下空洞に通じる石積みの階段に足を踏み入れた。