微熱少年の夜

風邪をひいているのか、ひきかけているのか。
あたまはぼんやりしている。
部屋のどこかで怪しい音がしても、ぼくの視線は、のろのろとそちらに向かい、行き過ぎて、興味を失う。
気がつくと写真をみつめている。
意識がそこに何かを捕らえたのか、無意識がわけもわからず写真に潜むエネルギーを貪っていたのか。