ぼくの白い花

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昨夜、ぼくは帰宅して駐車場に車を停めると、まっすぐ庭の水鉢に向かった。朝咲いた睡蓮の花を見るために。でも、花は固くつぼんで、ぼくに気づきもしなかった。それは付合いはじめた彼女の家に行くと思いがけずオヤジが出てきて、娘はもう寝た、何時だと思ってる。ガシャン、みたいな情けない気分だった。今朝、ぼくは眠い目をこすりながら白い花に会いに行った。ぼくは心配だった。昨夜の傷はまだ癒えていなかった。でも、花はすっかり目覚めていて、ぼくに微笑んでくれた。ぼくは昨夜のことなどすっかり忘れ、元気になった。

“ぼくの白い花” への2件の返信

  1. 絵に無関心だった私の家族の一人が、ルーブル美術館でモネの「睡蓮」を目の当たりにして以来、絵画に目覚めました。[E:art]
    モネは睡蓮を愛し、自宅には睡蓮を中心とした池まで造って,死ぬまでそれらを描きつづけたそうです。
    スプーンさんの白い花には清らかな愛を感じます。

  2. この睡蓮、ぼくの庭の、ぼくの水鉢で、ぼくが育てたのに、花が咲いてみると、ああ、これはぼくのものではない、と思いました。人の心と同じですね。けっきょく、何一つ自分のものにならない。だから、自分の中に咲かせるしかない。モネの気持ちが少し分かるような気がしました。

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