美女と野犬

いつものように店に向かって車を走らせていた。すばらしい天気だ。土曜の朝は道路もすいていて広く感じる。風景だって平日とは少しずつ違う。道端の木々、走っている車の色、歩道を歩いている人の服装。すべてが明るく輝いてみえる。犬を散歩させている人がいる。ファッション雑誌から抜け出したような、高級な衣装をまとった隙のない美女。犬は・・・薄汚れた野良犬。なぜ? 彼女はシッポの垂れ下がった目つきの悪い野良犬を散歩させている。奇妙だ。朝から変なものを見てしまった。